サタケシュンスケ フリーランス道をゆく 第3回「クラウドマン宣言」

決まった組織に属さず、自らの力だけで世を渡り歩く、フリーランス。
自由人と言えば聞こえはイイが、ルールの無い環境では自己管理がすべて。
仕事とプライベートの区別はもはや無いに等しく、
そこは自分を律する事のできる者しか生き抜く事のできない厳しい世界。

このブログは、知ってか知らずかそんな棘の道を日々進み続ける
若輩フリーランサーサタケシュンスケが人知れずお贈りするフリーランス道奮闘記である。
毎回、怖れ多くも様々なテーマについて、気まぐれかつ大胆に、適当に語っていきます。

 

第3回テーマ

クラウドマン宣言

 

第3回、今回の記事で書く事についてもすでにご存知の方も多いであろう事なので 、
毎回の事ですが「そんなの知ってるよ〜」という方は読み飛ばしちゃってください。

 

唐突ですが、今ご使用中のパソコン、データのバックアップはマメに取っていますか?

制作中のデータ、資料、送受信メールとその添付データ、
取引先のアドレスや住所録、経理関係のデータ、等々。
一体どれほどの量の大切なデータが管理されているでしょうか。

それらはある日突然、なんの前触れもなく消えてなくなる可能性があります。
例えばもし今、パソコンが壊れてしまったら。
最悪の場合すべてを失ってしまう可能性があります。

形あるものすべて、いずれは壊れゆくさだめ。
それは避けることのできない現実。

そう、僕のパソコンも例外ではなかったのです。

 

 

トラブルは突然に


 

それは昨年の暮れ、奇跡とも言える確率で
メインで使っていたデスクトップパソコン(iMac)と
サブで使っていたノートパソコン(MacBook)がほぼ同時に壊れました。

万が一のために備えてあったサブマシンもほぼ同時に、です。
こんな事ってあるんでしょうか、しかし現実にあったのです…。

 

幸い、制作中のデータだけは外付けHDDで管理をしていたので
なんとか最悪の事態だけは免れたのですが、
クライアントの連絡先やこれまでやりとりしていたメール履歴など、
大事なデータを一瞬ですべて失ってしまいました。

取引先に連絡をしようにも情報が無くなってしまえばどうしようもない、
ネットワーク社会に置いて、まさに完全孤立状態に陥ってしまったのでした。

たとえばこれが会社・組織であったなら、仲間のスタッフと情報共有する事で
こういった事態をある程度防ぐことができるかもしれない。
フリーランスである以上、すべての情報やデータの管理は
自分ひとりの力でなんとかしなければいけない。

そんな当たり前の事をあらためて痛烈に実感させられたこの出来事を機に
パソコンとの付き合い方、データの管理方法について真剣に考える事になりました。

 

 

クラウドマン宣言


 

今回のような事が起こらないための解決・防止策はひとつ。

「大事なデータをパソコンの中におかない」

という事。

これまで僕はパソコンにインストールしたメールアプリをつかって連絡のやり取りをし、
それに必要なアドレスや住所などの連絡先もパソコンの中だけで管理をしていました。
この状態ではそのパソコンが壊れてしまった場合、前述の通りどうしようもなくなります。

逆に言えば、消えて困るデータがそもそもそこになければ問題は起こらない、
ということが解決策になるわけです。ふむ。

 

ではそのためにはどうすればいいのでしょうか。
日々CDやDVDにデータをバックアップする?
それとも複数台のパソコンにデータを同期すればいいのか?
それも現実的ではないし、手間がかかるような事では必ずボロが出てしまう。
(し、きっと僕は忘れるでしょうしサボるでしょう)

ひとむかし前なら有効な対処方法もなかったかもしれません。
がしかし、なんとも便利な時代になったものです。

 

「クラウドコンピューティング」

昨今よく聞くようになったこの言葉。
今やすっかり、データはクラウド上で管理する時代になったのですね。
パソコン内にデータをおかずに、外部におく。
確かに、それならパソコンが壊れようともデータを失う心配はありません。

これまでクラウドという言葉は耳にしながら、
あんまり積極的に取り入れようとまではしていなかったのですが、
今回のトラブルをきっかけにいろいろと試してみることにしてみました。
時代の流れにやや遅ればせながら、クラウドマン宣言です。

直訳すると、雲男。晴男でもなく雨男でもない、なんとも中途半端な響き。

 

いろいろなクラウドサービス


 

各社いろいろなサービスがありますが、説明不要なほど代表的なサービスといえば
やはりGoogleの提供するサービス、Gmailでしょうか。
(説明しだすと長くなるので、詳しくは下記ページをご覧ください)
mail.google.com/mail/help/intl/ja/about.html

設定次第で、これまで使っていたアドレスをそ
のままGmailで使用する事もできるので移行への抵抗はさほどありませんでした。
複数のパソコンやスマートフォンから管理・共有できるので、非常に重宝しています。

 

Gmailは連絡先を管理する事もできます。
送受信メールとともに氏名、アドレス、住所、電話番号等、まとめて管理ができます。

ちなみにこのGmailの連絡先はiPhoneの連絡先アプリと共有させる事ができ、
(詳しい情報はよそから拝借… moonblack.net/archives/1210
登録してある電話番号から直接電話をかけたり、
住所からワンタッチでGoogleマップを起動させて場所を確認する事もできます。
この機能、はじめて行く打ち合わせ先などで道に迷わないためにとっても役に立ちます。

 

その他、EvernoteDropboxなどの
こちらももはや説明不要の有名すぎるサービスを使う事で
データや資料もすべてクラウド上で管理できるようになり、
晴れて1台のパソコンだけに依存しないですむ環境を作る事ができました。

どんどん増える一方のデータや情報を1台のパソコンだけに管理するには限界があります。
クラウドサービスを使うことで、それをより簡単に、便利に管理できる。
突如起こりうるマシントラブルのリスクにも備えられるという、
しがないフリーランスにとっては涙が出るほどありがたい事です。
しかも、基本無料で利用できるというところが何より素晴らしい!

 

しかしこういったクラウドサービスを使っていてふと思ったのですが、
そもそもインターネットが使える環境でないと役に立たないじゃないか。と。

そしてもしもサービス会社のサーバが故障してデータが消えてしまった場合、どうなるのだろう。
いくら厳重に守られていたとしても天災などの被害を受けないとも限らない。

うーん、ならばやはり自分の家でバックアップを取るしかないのか。
外付けHDDに保存、しかしそのHDDも壊れてしまったとしたらどうだ。

ではHDDを2台設置して二重のバックアップ体制にしようか。
しかしもし家に泥棒が入って盗まれたり、火事になって燃えてしまったらどうしよう。
番犬、いや、手ぬるいな。警備員の1人か2人か雇うしかないのか。

いや、待てよ、もっと根本的な問題で電力不足だとかで電気が使えなくなったら
インターネットがどうとかHDDがどうとか言う以前に
パソコンそのものが使えなくなるよな…

じゃあ自家発電機でも設置しておいた方がいいのか、
最近はソーラー発電が主流なのかな?ガスから電気を作るって方法もあるらしいな。
………

 

なんて、そんな終わりのない問題について考え出すと今夜も眠れないのでした。
完璧な方法はないのかもしれませんが、考えられるリスクに備えておく事。
フリーランスに限らずですが、危機管理、大切な事ですよね。

何かもし他にもよい方法、オススメの方法などございましたら
下のコメント欄にでも情報をお寄せください。

 

2012.7.22.

 

サタケシュンスケ イラストレーター(フリーランス6年目)
1981年 大阪府枚方市生まれ 兵庫県神戸市在住
広告制作会社勤務のグラフィックデザイナーを経て2007年に独立、
以後フリーランスのイラストレーターとして活動をはじめる。
主な仕事は広告、書籍、教材等で使用するイラストレーションおよび
キャラクターの制作、モチーフは人物や動物、静物画が中心。

 


 

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サタケシュンスケ
1981年 大阪府枚方市生まれ 兵庫県神戸市在住 広告制作会社勤務のグラフィックデザイナーを経て2007年に独立、 以後フリーランスのイラストレーターとして活動を続けている。

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