なりゆきサーカス×にじゆら 14
搬出

3月24日・19:00晴れ

名残を惜しむかのように誰からともなく話し出す。
「あれがよかった」「こんなことがあった」など
搬入をしたのをつい最近のように感じつつ壁から絵と手ぬぐいを搬出。

お互いの健闘を称え、試合後のサッカー選手のユニフォームのように
手ぬぐいを交換しあうなりゆきサーカスである。

ミッション・コンプリート。

なにかに呼ばれたように様々なタイミングが重なり、
思ってもいなかった素晴らしい結果に流れ着く、ということがたまにあるとしたら
『なりゆきサーカス×にじゆら』がまさにそれだった。
そう言っても過言ではないのではないだろうか。

ここでご紹介したことは
ものづくりの背景も楽しんでもらいたい、と言った自分たちこそが知らなかったことであり、
発見も気づきも驚きも全てなりゆきサーカス自身の宝物のような実体験だった。
それらをもし少しでも共有してもらえたなら、それこそが本望だ。

難しいポイントはいくつもあった。
「一度に6名もの作家さんと製作を同時進行するのは初めてです」と言っていた担当のFな井さんは
全員分の試作が済んだ翌週に寝込んでしまった。
やりたいことと出来ることの折り合いがつかないこともあった。
双方が納得いくような落としどころを手探りする日々は長く、楽しいことばかりではなかった。

ただそこにはあったのは“思い”のようなものだ。

ほとんど黒い駒で埋まったオセロ盤が後半で全てひっくり返る時のように、
白と白ではさんだら黒い列はいつの間にか白に返った。

結果all right。
いい言葉だ。

ふと見ると店長・小島氏が泣いていた。
それは、「もうこの柄たちを、売れなくなるなんて」という涙だった。*
出会ったその日に「ワタシ、この会社が大好きなんです!」と宣言し、
休日返上で工場見学に付き合ってくれる小島氏。
この人は、根っから“(手ぬぐいを愛して)売る人”なのだ。

兎に角、社長はズボンを買い替えた。
季節は春。
良い展覧会だったのかどうかは、きっと社長とお客さんの笑顔に隠されているんだろう。

つまり答えは風の中…
春のなまあたたかい、桜の気配の中である。
ひたいの汗を手ぬぐいで拭き、そしてまた歩き出すなりゆきサーカス。

きっとまた、どこかでお会いしましょう…(打ち上げね!)

ーーー
関係者のみなさま、お疲れさまでした。
そしてお越しくださった皆様、誠にありがとうございました。
なりゆきサーカス一同、すべての方にこの場をかりて心よりお礼申し上げます。
この勝手なブログを楽しみに読んでくださった方もいらっしゃったと聞きました。

本当にありがとうございましたーー!!
ーーー

(おわり)

*注 本日より京都、大阪、神戸、の各柄はそれぞれの都市での店舗限定販売となります。
にじゆら各店舗にぜひ遊びに行ってくださいね。(小島氏の涙はイメージです)
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